クリスタで塗り終わったあとに、服の色、髪の色、背景色、線画の色だけを変えたい場面はよくあります。
最初から塗り直さなくても、レイヤーの状態に合った方法を選べば、すでに塗った範囲を保ったまま色だけを変更できます。
ただし、ラスターレイヤー、ベクターレイヤー、線画、下塗り、影色では向いている操作が違います。
ここでは、クリスタで塗った色を変えるときに使いやすい方法を、初心者でも迷いにくい順番で整理します。
クリスタで塗った色を変える方法7つ
塗った色を後から変える方法は一つではなく、目的によって最短ルートが変わります。
広い面の色を別色にするなら透明ピクセルをロック、元の塗りを壊したくないならクリッピング、全体の色味を寄せるなら色調補正が使いやすいです。
透明ピクセルをロック
塗りが一つのラスターレイヤーにまとまっているなら、透明ピクセルをロックしてから塗り直す方法が最も直感的です。
透明部分には描けなくなるため、すでに色が乗っている範囲だけを別の色で塗れます。
服や髪などをパーツごとにレイヤー分けしている場合は、はみ出しを気にせず色を差し替えやすくなります。
- 下塗りの色変更に向く
- 単色パーツに強い
- 元レイヤーを直接編集する
- 濃淡ごと変わりやすい
クリッピング
元の塗りを消さずに色だけ試したい場合は、上に新規レイヤーを作って下のレイヤーでクリッピングします。
クリッピングしたレイヤーは下の塗り範囲にだけ表示されるため、元の色を残したまま別色を重ねられます。
色を何度も比較したいときは、クリッピングレイヤーを複製して候補色を並べると判断しやすくなります。
後から不透明度や合成モードを変えられるので、肌色、髪色、服色の微調整にも向いています。
色調補正
塗った色の明るさ、鮮やかさ、色相をまとめて動かしたい場合は、色調補正が便利です。
レイヤー全体の印象を変える操作なので、ピンクを青にするような大きな変更だけでなく、少し暗くする、彩度を落とす、暖色寄りにするなどの調整にも使えます。
直接レイヤーに適用すると後から数値を戻しにくいため、複製したレイヤーで試すと安全です。
| 目的 | 向く操作 | 注意点 |
|---|---|---|
| 色味を変える | 色相変更 | 肌色は崩れやすい |
| 暗くする | 明るさ調整 | 影が重くなる |
| 鮮やかにする | 彩度調整 | 派手になりやすい |
| 全体を整える | トーン調整 | 部分差が残る |
色域選択
同じ色で塗った場所だけを選びたい場合は、色域選択を使うと対象を絞り込みやすくなります。
キャンバス上の色を基準に選択範囲を作れるため、同じ赤で塗ったリボンだけを別色にしたいときに役立ちます。
似た色が別パーツにも使われている場合は一緒に選ばれることがあるため、選択範囲を確認してから塗り替えることが大切です。
線の色を描画色に変更
線画の色を黒から茶色や紺色に変えたい場合は、線の色を描画色に変更する操作が向いています。
変更したい色を描画色に設定してから対象レイヤーを選ぶと、線の色だけをまとめて置き換えられます。
線以外の部分が透明になっているレイヤーほどきれいに反映されやすいため、線画と塗りを同じレイヤーに結合している場合は扱いに注意が必要です。
選択範囲を作ってから実行すれば、髪の線だけ、服の線だけのような部分変更にも対応できます。
レイヤーカラー
下描きや線画の表示色を一時的に変えたい場合は、レイヤーカラーが便利です。
レイヤーに描かれた内容を指定した色に置き換えて表示できるため、下描きを水色にしたり、線画の雰囲気を一時的に確認したりできます。
色そのものを完全に塗り替える目的よりも、表示上の色を変えて作業しやすくする目的に向いています。
カラーの塗りレイヤーに使うと濃淡が単色寄りに見えることがあるため、完成色の差し替えには別の方法も検討します。
ベクター線の編集
ベクターレイヤーで描いた線は、オブジェクトツールで選んで線の色を変更できます。
ラスターレイヤーのように塗りつぶすのではなく、線の情報を後から調整する感覚で扱える点が特徴です。
線を一部だけ選べば部分的な色変更ができ、線を選ばなければレイヤー内の線全体に変更が反映される場合があります。
線画をよく修正する人は、最初からベクターレイヤーで描いておくと色変更や太さ調整が楽になります。
塗りレイヤー別に最短ルートを選ぶ
色変更で失敗しやすい原因は、操作方法そのものよりも、選んでいるレイヤーと目的が合っていないことです。
同じ色変更でも、ラスターレイヤー、線画レイヤー、ベクターレイヤーでは使うべき機能が変わります。
ラスターレイヤー
通常の塗りレイヤーはラスターレイヤーで作られていることが多く、透明ピクセルをロックした塗り直しと色調補正が使いやすいです。
下塗りだけを変えるなら透明ピクセルをロック、陰影ごと色味を変えるなら色調補正、元色を残したいならクリッピングを選びます。
一枚のレイヤーに複数パーツを塗っている場合は、色域選択で対象を作ってから変更すると範囲を絞れます。
| 状態 | おすすめ操作 | 理由 |
|---|---|---|
| 単色の下塗り | 透明ピクセルをロック | 早く直せる |
| 陰影込み | 色調補正 | 濃淡を保てる |
| 比較したい | クリッピング | 元色を残せる |
| 一部だけ | 選択範囲 | 対象を絞れる |
線画レイヤー
線画の色を変えるときは、塗りレイヤーと同じ感覚で上から塗るより、線だけを対象にする方法を選ぶときれいです。
線画部分以外が透明なら、線の色を描画色に変更する操作や透明ピクセルをロックした塗り直しが使えます。
線画にアンチエイリアスがある場合は、濃い部分と薄い部分のなじみを見ながら色を選ぶと自然に見えます。
- 黒線を茶色にする
- 髪周りだけ色を寄せる
- 服の線だけ暗くする
- 背景線を薄くする
ベクターレイヤー
ベクターレイヤーの線は、線そのものを選んでから色を変えられるため、後から調整する前提の線画に向いています。
ペン入れをベクターで行っている場合は、オブジェクトツールで線を選択し、ツールプロパティ側の色を変更する流れが自然です。
ただし、塗りの面を変える用途ではなく、基本的には線の色や太さを変更するための考え方です。
塗りと線の両方を直したい場合は、線はベクター編集、塗りはラスターレイヤー側で分けて処理します。
色を変えても汚く見えない準備
後から色を変える作業は、塗る前のレイヤー構成で難易度が大きく変わります。
今ある絵を直す場合でも、複製、選択範囲、パーツ分けを少し整えるだけで、色変更後の仕上がりが安定します。
レイヤー分け
髪、肌、服、目、背景を別レイヤーにしておくと、色変更の自由度が大きく上がります。
同じレイヤーに複数パーツを塗っていると、色域選択や消しゴムでの調整が増え、境界が荒れやすくなります。
完成後に色を何度も変える可能性がある絵では、下塗りの段階からパーツ単位で分けておくと楽です。
| 分け方 | 利点 | 向く場面 |
|---|---|---|
| 肌だけ | 色味を守れる | 人物イラスト |
| 髪だけ | 候補を試せる | キャラ案 |
| 服だけ | 配色を変えやすい | 衣装差分 |
| 背景だけ | 全体を整えやすい | 一枚絵 |
選択範囲
一つのレイヤーに複数の色が混ざっている場合は、先に選択範囲を作ると狙った場所だけを変えやすくなります。
自動選択、投げなわ選択、色域選択を使い分けると、パーツの形や塗り方に合わせて対象を絞れます。
選択範囲の境界が硬すぎると色変更後にふちが目立つため、必要に応じて少し広げたりぼかしたりします。
- 同じ色なら色域選択
- 閉じた形なら自動選択
- 細かい形なら投げなわ
- 境界調整は慎重に行う
バックアップ
直接色を変える前にレイヤーを複製しておくと、仕上がりが気に入らないときにすぐ戻せます。
色調補正や線の色変更は結果が見やすい一方で、上書き後に細かい数値まで戻すのが面倒になることがあります。
作業前のレイヤー名に元色、変更前、予備などを入れておくと、後から見返したときにも迷いません。
大きく配色を変えるときは、ファイル自体を別名保存してから作業するとさらに安全です。
スマホとiPadで迷いやすい操作
スマホ版やiPad版のクリスタでも、考え方はパソコン版とほぼ同じです。
ただし、画面が狭いぶん、レイヤーパレット、メニュー、ツールプロパティの場所を見失いやすいため、操作の入口を把握しておく必要があります。
レイヤーパレット
透明ピクセルをロックやクリッピングは、主にレイヤーパレット上の操作から使います。
スマホやiPadではパレットが隠れていることがあるため、まず対象レイヤーを正しく選べているかを確認します。
色が変わらないときは、別レイヤーを選んでいたり、フォルダーを選んでいたりすることがよくあります。
- 対象レイヤーを選ぶ
- ロック状態を見る
- クリッピング状態を見る
- 非表示レイヤーを避ける
メニュー位置
色調補正や線の色を描画色に変更する操作は、編集メニュー側から探す流れになります。
タブレット環境ではワークスペースや表示状態によって見え方が違うため、メニュー名で覚えるよりも目的で覚えるほうが迷いにくいです。
塗りの色味を全体的に変えるなら色調補正、線そのものの色を変えるなら線の色を描画色に変更という分け方が実用的です。
| 目的 | 探す場所 | 操作名 |
|---|---|---|
| 塗りの調整 | 編集系 | 色調補正 |
| 線色の変更 | 編集系 | 線の色変更 |
| 表示色の変更 | レイヤー系 | レイヤーカラー |
| 範囲限定 | 選択系 | 選択範囲 |
取り消し
スマホやiPadでは細かい操作を連続で行いやすいため、色変更前に戻る操作を確認しておくと安心です。
特に色調補正を直接適用したあとに別操作を重ねると、どの段階まで戻せばよいか分かりにくくなります。
作業前にレイヤー複製をしておけば、取り消し履歴に頼らず変更前の状態を残せます。
候補色をいくつも試す場合は、元レイヤーを残して上にクリッピングレイヤーを重ねる方法が扱いやすいです。
色が変わらない時の原因
操作をしているのに色が変わらない場合は、機能の不具合よりもレイヤー設定や対象範囲の見落としが原因になりやすいです。
表現色、選択中のレイヤー、ロック状態、透明部分の扱いを順番に見れば、多くのつまずきは解消できます。
表現色
レイヤーの表現色がカラー以外になっていると、選んだ色どおりに変わらなかったり、グレーのように見えたりすることがあります。
線の色を変更したのに思った色にならない場合は、レイヤープロパティで表現色を確認します。
カラー作品の色変更では、対象レイヤーがカラーとして扱える状態かを見ることが大切です。
| 症状 | 確認場所 | 対処 |
|---|---|---|
| 色が灰色になる | 表現色 | カラーにする |
| 色味が単調 | レイヤーカラー | 効果を見直す |
| 補正できない | レイヤー種類 | 対象を変える |
| 線だけ変わる | 選択範囲 | 範囲を解除する |
選択レイヤー
クリスタでは、今選んでいるレイヤーに対して操作が実行されるため、対象レイヤーを間違えると色は変わりません。
見た目では服の色を触っているつもりでも、実際には線画レイヤーや空のレイヤーを選んでいることがあります。
レイヤーサムネイルを見て、変更したい色がそのレイヤーに描かれているかを確認します。
フォルダー内にあるレイヤーを編集する場合は、フォルダーではなく中の塗りレイヤーを選ぶほうが分かりやすいです。
ロック
レイヤーがロックされていると、色を塗ったり補正したりできない場合があります。
透明ピクセルをロックは便利な機能ですが、まだ塗っていない場所へ新しく色を足したいときには邪魔になることがあります。
何も描けない、色が乗らない、範囲外だけ反応しないと感じたら、ロックの種類を一つずつ確認します。
- レイヤーロック
- 透明ピクセルロック
- 選択範囲の残り
- マスクの有効状態
後から直せる塗り方にしておく
塗った色を変える作業は、透明ピクセルをロック、クリッピング、色調補正、色域選択、線の色変更、レイヤーカラー、ベクター編集を使い分けると効率が上がります。
単色の下塗りを素早く差し替えたいなら透明ピクセルをロック、元の色を残して試したいならクリッピング、絵全体の色味を寄せたいなら色調補正が扱いやすいです。
線画の色を変える場合は、塗りレイヤーとは分けて考え、線の色を描画色に変更する操作やベクターレイヤーの色編集を使うと自然に仕上がります。
色が変わらないときは、対象レイヤー、表現色、選択範囲、ロック状態を順番に確認すると原因を見つけやすくなります。
完成後の修正を楽にしたいなら、肌、髪、服、背景を最初から分けて塗り、変更前のレイヤーを複製してから作業するのが安全です。
