クリスタでPSDを開きたいときは、通常の画像読み込みではなく、基本的にファイルメニューの開く操作を使うのが安全です。
PSD形式はCLIP STUDIO PAINTで扱える形式ですが、開き方を間違えるとレイヤー構造が1枚にまとまったように見えたり、既存キャンバスへ思った形で入らなかったりします。
特にPhotoshopから受け取ったPSD、iPadで保存したPSD、納品用にレイヤーを残したPSDでは、開く操作と読み込み操作の違いを先に理解しておくことが重要です。
クリスタでPSDの開き方7項目
クリスタでPSDを開く基本は、PSDファイルを作品として開くのか、今のキャンバスに素材として入れるのかを最初に分けることです。
ファイルから開く
レイヤー構造を確認したいPSDは、CLIP STUDIO PAINTを起動してから上部メニューのファイルを開き、開くを選んでPSDファイルを指定します。
この方法はPSDを新しい作品タブとして開く流れなので、元のPSDに含まれているレイヤーやフォルダーを確認しながら編集を始めやすいです。
WindowsやmacOSではファイル選択ダイアログからPSDを選び、iPadではOSのファイルアプリから保存場所をたどって選択する流れになります。
まずはこの開き方を試すことで、PSDそのものが壊れているのか、操作方法が違うだけなのかを切り分けやすくなります。
| 操作 | 向いている場面 | レイヤー確認 |
|---|---|---|
| ファイルから開く | PSDを作品として編集 | しやすい |
| 読み込みから画像 | 既存作品へ素材追加 | しにくい |
| ドラッグ操作 | PCで素早く開く | 状況による |
ドラッグで開く
PC版のクリスタでは、PSDファイルをエクスプローラーやFinderからクリスタ画面へドラッグして開ける場合があります。
新規キャンバスを作らずにPSDを開きたいだけなら、ファイルをクリスタの作業領域へ直接持っていく方法が手早いです。
ただし、ドラッグ先が既存キャンバスやレイヤーパレットになると、作品として開くのではなく素材として読み込まれる挙動になる場合があります。
レイヤーを残した状態で開きたい場合は、うまくいかないときにファイルメニューの開く操作へ戻るのが確実です。
iPadで開く
iPad版のクリスタでは、ファイルメニューから開くを選ぶと、iPadOSのファイルアプリが表示されます。
iCloud Drive、端末内、DropboxやGoogle Drive連携フォルダーなどにPSDがある場合は、ファイルアプリ上で保存場所を探して選択します。
メールやチャットで受け取ったPSDは、いったんファイルアプリ内の分かりやすい場所へ保存してからクリスタで開くと迷いにくいです。
写真アプリや画像としての共有から入れると、PSDのレイヤー情報を期待通りに扱えない可能性があるため、まずはファイルとして開く意識が大切です。
Androidで開く
Android版のクリスタでも、基本的にはファイルメニューの開くからPSDを選択して開く流れになります。
端末のダウンロードフォルダーやクラウドストレージから直接選ぶ場合は、ファイルピッカーでPSDの保存場所を見つける必要があります。
アプリ間共有で開こうとして失敗する場合は、端末内の分かりやすいフォルダーにPSDを保存し直してから開くと確認しやすいです。
ファイル名が長すぎる場合や記号が多い場合は、短い英数字や日本語名に変更してから試すと、ファイル管理上の混乱を減らせます。
レイヤーを確認する
PSDを開けたら、まずレイヤーパレットを見て、フォルダー、通常レイヤー、テキストレイヤー、マスクなどがどう表示されているか確認します。
見た目が合っていても、Photoshopとクリスタでは一部の機能や効果の解釈が異なるため、完全に同じ編集状態になるとは限りません。
納品データや共同作業データなら、作業前にレイヤーの表示状態とキャンバス全体の見た目をスクリーンショットで残しておくと安心です。
特に次の項目は、PSDを開いた直後に確認しておくと後から原因を探しやすくなります。
- レイヤー数
- フォルダー構成
- 表示と非表示
- 透明部分
- テキストの状態
- 合成モード
- キャンバスサイズ
既存作品へ移す
PSDを今描いているクリスタ作品の中に入れたい場合は、PSDをいったん別タブで開いてから必要なレイヤーをコピーする方法が分かりやすいです。
PSD側のレイヤーパレットで移したいレイヤーやフォルダーを選び、コピーしてから、移動先のキャンバスのレイヤーパレットへ貼り付けます。
この方法なら、単なる画像素材として1枚に読み込むよりも、レイヤー構成を活かしながら既存作品へ組み込みやすくなります。
ただし、キャンバスサイズや解像度が違う場合は、貼り付け後に位置や拡大率が想定とずれることがあります。
入稿原稿や漫画ページへ入れる場合は、貼り付け後にトンボ、余白、表示倍率、解像度を確認してから作業を続けるのが安全です。
開けない時に見る
PSDが開けない場合は、まず拡張子が本当に.psdになっているか、ファイルサイズが極端に小さくないか、ダウンロードが途中で止まっていないかを確認します。
クラウド上のファイルを直接開いて失敗する場合は、一度端末内へ保存してから開くと改善することがあります。
受け取ったPSDが別ソフトで作成されたものなら、作成者側で互換性の高いPSDとして保存し直してもらうと解決する場合があります。
どうしても開けないときは、Photoshopやほかの画像編集ソフトで開けるかを確認し、クリスタ側の問題かファイル側の問題かを分けて考えるのが近道です。
PSDのレイヤーが1枚になる原因を見分ける
クリスタでPSDを扱うときに多い悩みは、開いたつもりなのにレイヤーが1枚になったように見えることです。
開くと読み込みの違い
PSDを作品として編集したい場合は開くを使い、今のキャンバスに画像として配置したい場合は読み込みを使うという違いがあります。
ファイルメニューの読み込みから画像を選ぶと、元のPSDがレイヤー分けされていても、基本的には1つの画像素材レイヤーとして配置されます。
そのため、レイヤーが消えたのではなく、選んだ操作がレイヤー構造を展開する目的ではなかったというケースがあります。
レイヤーを編集したいなら、読み込みではなく開くでPSDを開き、必要に応じてレイヤーをコピーして移す流れが向いています。
| 目的 | 使う操作 | 注意点 |
|---|---|---|
| PSD全体を編集 | 開く | 別タブで開く |
| 素材として配置 | 読み込み | 1枚扱いになりやすい |
| 既存作品へ移動 | コピー貼り付け | 位置確認が必要 |
画像素材レイヤーの仕様
読み込みから画像を選んだ場合、クリスタでは画像素材レイヤーとしてキャンバスへ配置されます。
画像素材レイヤーは位置や拡大縮小の調整には便利ですが、そのままではペンやブラシで直接描き込めない場合があります。
直接描き込みたい場合はラスタライズが必要になりますが、ラスタライズしても元PSDの複数レイヤーが復元されるわけではありません。
読み込み操作が向いているのは、次のようにレイヤー編集より配置を優先したい場面です。
- 背景画像の配置
- 参考画像の配置
- ロゴ素材の配置
- 統合済みPSDの配置
- 下絵の配置
統合済みPSDの可能性
開く操作を使ってもレイヤーが1枚しかない場合は、受け取ったPSD自体がすでに統合済みで保存されている可能性があります。
相手がPhotoshopや別ソフトで画像統合して保存していた場合、クリスタ側で開いても存在しないレイヤーを復元することはできません。
レイヤー別の編集が必要なら、作成者にレイヤーを保持したPSD、または作業元のファイルを送り直してもらう必要があります。
納品前の確認では、相手にレイヤーパネルのスクリーンショットを添えてもらうと、統合済みかどうかを判断しやすくなります。
クリスタでPSDを編集する前に整える
PSDを開けたあとにすぐ描き始めるより、保存形式、表示、レイヤー構成を整えてから作業するとトラブルを減らせます。
元ファイルを複製する
受け取ったPSDをそのまま上書きしながら作業すると、元データへ戻したいときに困る可能性があります。
最初にPSDを複製し、作業用のファイル名を付けてから編集すれば、元の納品データや受領データを安全に残せます。
クリスタで継続的に編集するなら、作業用はCLIP STUDIO FORMATで保存しておくと、クリスタ独自の機能を保持しやすくなります。
PSDを扱う前の安全策として、次のようなファイル管理にしておくと後から探しやすいです。
- 元PSD
- 作業用clip
- 確認用PNG
- 納品用PSD
- 修正前バックアップ
色と表示を確認する
PSDはPhotoshop由来の形式なので、色の見え方やカラープロファイルの扱いが作業環境によって変わる場合があります。
CMYK形式の画像をクリスタで開く場合、編集環境ではRGB形式へ変換されるため、印刷向けの色確認ではプレビューや書き出し設定の確認が必要です。
表示が少し違うと感じたら、合成モード、透明度、トーン、色調補正、カラープロファイルの影響を順番に確認します。
特に印刷用データでは、画面上の見た目だけで判断せず、入稿先の指定に合わせた確認用画像を作ると安全です。
| 確認項目 | 見る場所 | 注意点 |
|---|---|---|
| 色味 | キャンバス全体 | 環境差が出る |
| 透明部分 | 背景表示 | 白塗りに注意 |
| 合成モード | レイヤー | 見た目差に注意 |
| 解像度 | 画像設定 | 入稿条件を確認 |
重いデータを軽くする
PSDのサイズが大きいと、クリスタで開くまでに時間がかかったり、ブラシ操作が重くなったりする場合があります。
大きなキャンバス、不要な非表示レイヤー、大量のフォルダー、巨大なスマートオブジェクト由来の画像などは重さの原因になりやすいです。
ただし、不要に見えるレイヤーでも後から必要になる可能性があるため、削除する前に必ず複製ファイルで作業します。
共同作業のPSDなら、勝手に統合するのではなく、作業に必要な範囲だけを別ファイルへコピーして軽量化するほうが安全です。
PSDで保存し直す時の注意点
クリスタで編集したあとにPSDで渡す場合は、どの保存方法を選ぶかでレイヤーの残り方が変わります。
複製を保存する
クリスタで編集したデータをPSDとして相手へ渡したい場合は、複製を保存からAdobe Photoshopドキュメントを選ぶ流れが使いやすいです。
複製を保存は、現在の作業ファイルを残したまま別ファイルとしてPSDを書き出せるため、元のclip作業を続けながら納品用PSDを作れます。
PSDやPSBで保存するときは、表現色、ICCプロファイル、テキストレイヤーの扱いなどを確認してから保存します。
特に修正作業が続く案件では、作業用clipを残し、確認や納品のタイミングだけPSDを作る運用が安定します。
| 保存方法 | 用途 | 注意点 |
|---|---|---|
| clipで保存 | クリスタ作業用 | 互換渡しに弱い |
| 複製を保存 | 納品用PSD | 設定確認が必要 |
| 別名で保存 | PSD作業へ切替 | 上書き先に注意 |
| 統合書き出し | 確認画像用 | レイヤーは残らない |
統合書き出しを避ける
レイヤーを残したいのに画像を統合して書き出しを使うと、PSD形式を選んでもレイヤーが統合された状態になりやすいです。
この操作は、SNS投稿用や確認用の画像を作るには便利ですが、レイヤー別の納品には向いていません。
相手からレイヤーを残したPSDでほしいと言われている場合は、保存系の操作と書き出し系の操作を混同しないことが大切です。
次のような目的なら、統合書き出しではなく複製を保存を優先します。
- レイヤー別納品
- Photoshopで再編集
- テキスト修正の依頼
- パーツ別の差し替え
- 共同制作の引き継ぎ
Photoshopへ渡す
クリスタからPSDを渡す場合、Photoshopで完全に同じ編集状態になるとは限らないため、相手が必要とする編集範囲を先に確認します。
テキストをPhotoshop側で編集したいのか、絵のパーツだけ動かしたいのか、確認用に見た目が合えばよいのかで保存設定が変わります。
クリスタ特有のレイヤー効果や素材表現は、Photoshop側で見たときにラスタライズされたり、表示が変わったりする可能性があります。
納品前には、PSDだけでなく確認用のPNGやJPEGも一緒に出すと、相手が見た目のズレに気づきやすくなります。
PSDを安全に開いてレイヤー作業へ進める
クリスタでPSDを開くときは、まずファイルメニューの開くからPSDを作品として開くのが基本です。
読み込みから画像を選ぶ操作は、既存キャンバスへ素材として配置したいときには便利ですが、レイヤー構造をそのまま展開したい用途には向きません。
iPadやAndroidではファイルアプリやストレージ上の保存場所を整理し、クラウドから直接うまく開けない場合はいったん端末内へ保存してから試すと確認しやすくなります。
PSDを開けたあとは、元ファイルを複製し、レイヤー数、表示状態、透明部分、色味、キャンバスサイズを確認してから編集を始めると安全です。
クリスタで継続作業するなら作業用はclipで保存し、相手へ渡すときだけ複製を保存でPSDを書き出す流れにすると、レイヤー保持と作業データ保護を両立しやすくなります。
レイヤーが1枚になる場合は、読み込み操作を使っていないか、元PSDが統合済みではないか、保存方法が画像統合になっていないかを順番に見直すことが解決への近道です。
